暗号資産の金商法移管 — わかっていること/まだ決まっていないこと
金融庁・国会など公的機関の公表資料に基づき、確認できている内容とまだ確認できていない内容を分けて記録しています。定点更新ページです。
現況サマリー
「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」は、令和8年(2026年)4月10日に提出され、令和8年7月15日に成立しました。(出典: 金融庁「国会提出法案」第221回国会 https://www.fsa.go.jp/common/diet/index.html)
見込み 施行期日は、本サイト作成時点で確定を確認できていません。日本経済新聞は、2026年4月10日の閣議決定を報じた記事で「今国会で成立すれば2027年度にも施行される見通し」と伝えています。(出典: 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB101480Q6A410C2000000/)
わかっていること
金融庁が公表した改正法律案の説明資料によれば、改正の柱は次の5点です。(出典: 金融庁 改正法律案説明資料 2026年4月 https://www.fsa.go.jp/common/diet/221/02/03.pdf)
| 柱 | 内容 |
|---|---|
| ① | 暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法へ移管し、有価証券とは異なる金融商品として位置付ける |
| ② | 無登録業者等への対応の強化 |
| ③ | 情報の非対称性を解消するための情報公表規制の整備 |
| ④ | 「暗号資産交換業者」から「暗号資産取引業者」へ名称変更 |
| ⑤ | インサイダー取引規制の創設を含む不公正取引規制の強化 |
まだ決まっていないこと
- 施行期日 — 未確認。報道では2027年度にも施行される見通しとされていますが(前掲・日本経済新聞)、確定した期日は本サイト作成時点で確認できていません。
- 政令・内閣府令の内容 — 未確認。改正法の詳細な運用は今後定められる政令・内閣府令によりますが、その内容は本サイト作成時点で確認できていません。
- 税制(分離課税の扱いなど) — 未確認。金融庁の令和8(2026)年度税制改正要望では「分離課税の導入を含めた暗号資産取引等に係る課税の見直しが掲げられており、税制も含めた見直しが検討されている」とされていますが、これは要望段階の記述であり、成立・施行の状況は本サイト作成時点で確認できていません。(出典: 参議院「立法と調査」No.479 2025年10月28日 https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2025pdf/20251028081.pdf)
情報発信をする側にどう関わるか
金融審議会のワーキング・グループ報告(案)は、次のように述べています。
暗号資産の投資セミナーやオンラインサロン等が出現している現状を踏まえ、暗号資産の投資運用や投資アドバイスについても投資運用業及び投資助言業の対象とすることで業務の適切な運営を確保すべきである
(出典: 金融審議会 暗号資産制度ワーキング・グループ報告(案) 2025年11月26日 https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/angoshisanseido_wg/gijishidai/20251126/03.pdf)
当サイトは、価格予測・銘柄推奨・投資助言を行わない方針で運営しています。
無登録業者について
金融庁「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」によれば、令和6年(2024年)11月の掲載分には KuCoin、bitcastle LLC、Bybit Fintech Limited、MEXC Global、Bitget Limited が含まれています。Bybit は令和3年5月・令和5年3月・令和6年11月の3回にわたり掲載されています。(出典: 金融庁 https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/angoushisan_mutouroku.pdf)
同資料には次の注記があります。
掲載されている無登録業者について、必ずしも、現在の無登録営業の状況を示すものではありません。
外国の無登録業者による本邦居住者向けの勧誘への対応について、金融審議会WG報告(案)は次のように述べています。
行政において警告・公表やアプリストアへの削除要請といった対応が行われている。引き続きそうした対応に注力する
(出典: 金融審議会 暗号資産制度ワーキング・グループ報告(案) 2025年11月26日 https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/angoshisanseido_wg/gijishidai/20251126/03.pdf)
無登録での金融商品取引業の法定刑は5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(併科あり)です。現行の資金決済法における無登録の暗号資産交換業は、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金です。(出典: 金融審議会WG報告(案) 前掲)
経緯
公表資料を時系列で並べると次のとおりです。
- 2025年4月 — 金融庁が、暗号資産に係る制度見直しの基本的な考え方等を示すディスカッション・ペーパーを公表。(出典: 参議院「立法と調査」No.479 2025年10月28日 https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2025pdf/20251028081.pdf)
- 2025年9月29日 — 金融審議会 暗号資産制度ワーキング・グループ第3回会合の事務局説明資料が、課徴金制度とインサイダー取引規制の現状について、次のように整理しました。
暗号資産についても、金商法において、上場有価証券等に係る規制と同様に、各種の不公正取引規制及び刑事罰が設けられているが、課徴金制度は整備されておらず、また、インサイダー取引を直接規制する規定は設けられていない。
あわせて、ワーキング・グループでの議論として、次の指摘があったことも記載されています。暗号資産を金商法で規律することには概ね賛同頂いた一方、規制見直しが、暗号資産投資の「お墨付き」のような形で理解されるべきでない旨の御指摘
(出典: 金融審議会 暗号資産制度ワーキング・グループ第3回 事務局説明資料 2025年9月29日 https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/angoshisanseido_wg/gijishidai/20250929/04.pdf) - 2025年11月26日 — 金融審議会 暗号資産制度ワーキング・グループの報告(案)が公表される。(出典: 前掲 https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/angoshisanseido_wg/gijishidai/20251126/03.pdf)
- 2026年4月10日 — 改正法律案が国会に提出される。(出典: 金融庁「国会提出法案」第221回国会 https://www.fsa.go.jp/common/diet/index.html)
- 2026年7月15日 — 改正法律が成立。(出典: 前掲)
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026-07-25 | 初版公開(改正法の成立を反映) |